2018年1月28日のメモ 続
翌朝、Twitterを開いた。
目に入ったのは朝刊の写真。
『King & Prince 4年ぶりCDデビュー』
と、大きな見出し。
ああ、夢じゃない。夢じゃないんだ。
幸せで溢れた画面をスクロールしていくと、
2つの言葉が目に飛び込んできた。
『直談判』
『主犯』
直談判…?
そんな言葉、想像もしていなかった。
デビューも、6人括りも、すべてを事務所が決めたのだろうと、思い込んでいた。
そう、ただ思い込んでいたのだ。
そしてその「主犯」は、平野紫耀。
もう、思考が追いつかなかった。
心の奥にしまったはずの感情が、また溢れた。
紫耀くんは、Mr.KINGとしてではなく、6人でのデビューを望んだ。
その事実が、どうにも心に突き刺さった。
紫耀くんがたくさん考えた末の結論だということは分かっている。
彼は、先を見据える人だから。
どんなに過去を褒められても、先しか見ない人だから。
社長が6人の実力と人気を認めた上でデビューできたということも分かっている。
だけど、苦しくて。
もう一度、この感情を胸の中にしまうまで、少し時間がかかった。
紫耀くんが、3人が、6人が望んだ通りのデビュー。
3人ずつの括りまで残してくれた。
紫耀くんが共に戦ってきた最高の仲間、そして最強のライバルも一緒に。
そんなの、幸せなデビューに決まっている。
また、自分に言い聞かせた。
しょうれんかいがKing & Princeのメンバーとして歩んでいても、
私は、Mr.KINGの面影を無意識のうちに探してしまうかもしれない。
きんぐちゃんきんぐちゃんなんて、いつものように言ってしまうかもしれない。
たまにはKingという表記に寂しくなってしまうかもしれない。
3人の関係が変わったら悲しんでしまうかもしれない。
こんなファンでごめんね、本当にごめん。
どうしようもないくらい、しょうれんかいを愛してしまったんだ。
紫耀くん、それでも好きでいることを許してくれますか…?
自ら「主犯」だと言う彼は、どこまで、いつまで、背負うつもりなのだろう。
6人で話し合ったはずなのに。
ただ最初に言い出しただけなのに。
他の5人も今、幸せな気持ちのはずなのに。
夢を掴んだ「ヒーロー」のはずなのに。
どんなに苦しくても、私たちが紫耀くんのせいになんかできるわけないのに。
きっと、すべては必然だったのだから。
きっと、必然の始まりが彼の一言だっただけなのだから。
「主犯」なんて言わなくてもよかったのに。
ずるいよそんなの、、
私は彼の笑顔が見たい。
誰に何を言われていても、好きだから、大好きだから。
何も背負わず、ただ好きなことだけをしていてほしい。
無理だなんて言われなくてもわかってるけど、でも、またあの笑顔が見たい。
心の底から幸せになってほしい。
夢を掴んだ瞬間みんなに悪く言われるなんて、そんなのあんまりだ。
紫耀くんのために、King & Princeのために、今、何ができる?
分からない、分からないけど、、、
まずは、今を楽しんでみよう。
笑顔でデビューを祝福しよう。
ありがとうとおめでとうでいっぱいにしたファンレターを送ろう。
紫耀くんの掴んだ未来に、ついていってみよう。
King & Princeにはきっと明るい未来が待っているから。
私は、King & Princeの平野担になりました。
これまで見せてくれた最高の景色を、あの3人の笑顔を、自分だけの宝物にして。
1年後、6人とみんなが笑っていますように。
2018年1月28日のメモ
紫耀くんの20歳最後の日、あの日のことを書いておこうと思う。
2018年1月17日(水)14時19分。
一瞬、時が止まった。
その日は金曜日課で、6限が世界史だった。
朝から「特別番組」が気になって落ち着かなかった。
どんな番組かな、Jr.dexの特番かな、なんて。
前日に出たキンプリデビューの噂も、いつものデマだろうと知らないふりをしてたけど、それでもやっぱり気になっていた。
だって私はJr.担だから。
番協が14時までの予定だったから、5限が終わる14時10分には詳細がわかるだろうと、Jr.担らしく予想していた。
14時10分。
他クラスでの数学の授業が終わり、急いで教室へ戻る。
世界史の教材をロッカーから取り出し、自分のリュックからスマホも取って、また別の教室へと向かった。
Twitterを見ても動きはなく、まだ終わらないのか、なんてのんきに考えていた。
9分後に世界が一変するとは知らずに。
14時19分。
友達といつもの席に座り、1番後ろの席の私はためらわずにスマホを手にとった。
その時はまだ、教室がざわついていたように思う。
そして私は、Twitterを開いた。
たくさんの人の驚きと興奮の文字が見えた。
何かが起こった。大きな何かが。
少し画面をスクロールする。
目に飛び込んできたのは、
『King & Prince』『CDデビュー』の文字。
時が止まった。
意味を理解できないまま、息が止まりそうになった。
デビュー?6人で?Mr.KINGではないの?、
という戸惑い。
CDデビューできるんだ、やっと紫耀くんの、私たちの夢が叶ったんだ、
という喜び。
たくさんの感情が一気に混ざって、どうにもできなかった。
震える手で前の席の友達の肩を叩き、スマホの画面を見せる。
「ねえ、どうしよう…」
『?!?!?!よかったね、おめでとう!!』
「うん………でも…3人がよかった…」
『あぁそっか…なんか鳥肌すごいんだけど(笑)』
この「3人がよかった」というのが、私の素直な、1番最初の気持ちだった。
だけど、もちろん、3人の夢が叶ったことは嬉しくて。
立ち上がって叫びたいほど嬉しくて。
それから先、授業のことは一つも頭に入らなかった。
震える手で永瀬担や神宮寺担とLINEをして、会見レポを見て、トレンドに入るキンプリの文字を見て。
『3人がずっとアイドル』という言葉を見て。
「これからは一緒に応援しようね」と神宮寺担に言われて。
たくさんの人のいろんな言葉を見て、『6人でデビュー』という事実をちゃんと受け入れられた。
3人が待ち望んでいたこの日、この瞬間、
私たちが喜ばなくて誰が喜ぶの?
今、紫耀くんの味方になれるのは私たちしかいないでしょ?
3人がこれから先ずっと一緒にアイドルでいてくれる、これ以上に幸せなことなんてないでしょ?
そう自分に言い聞かせた。
気づけば世界史の授業は終わっていた。
『まじで1時間ずっと泣いてたね(笑)』
なんて友達に言われながら、半泣きで自分のクラスに戻った。
前を歩く北斗担の親友兼相方の肩を叩き、無言でスマホの画面を見せる。
『え?!?!?!?!おめでとう!』
『まじか、デビューか~』
『いっぱい退所しそうでこわいわ~』
いつも通りの声を聞き、安心してまた泣きそうになった。
わたしが逆の立場だったら、同じことを同じ表情で言えてたかな。
本当にありがたかった。
教室に帰ると、神山担の友達に相方が『キンプリデビューだって』と告げる。
11人中8人がジャニオタだから、女子がみんな集まってきた。
口々におめでとうと言ってくれるのを聞いて、また涙が溢れた。
膝から崩れ落ちるほど泣いた。
『授業中ずっと泣いてるんだもん(笑)』
『なんか貰い泣きしそう(笑)』
なんて友達の声を聞いても、返事ができなかった。
泣くことしかできなかった。
その時だけは、あの複雑な気持ちなんて消え去っていた。
ただただ嬉しくて。本当に嬉しくて。
こんなに幸せでいいのかなって思うくらい、ふわふわした気持ちで。
夢をみているのかと、何度も疑うほど。
だって昨日までは、「早くデビューして」が口癖だったから。
5日前の帝国劇場でみた紫耀くんも、
2日前のNHKホールでみた紫耀くんも、
デビューを夢みるジャニーズJr.の1人だったから。
午後から降り出した雨は、かなり強かった。
家に着くと、倒れ込むようにストーブの前に座る。
スマホを手にしたまま、気持ちが落ち着くまで泣き続けた。
3人と出会ってから今日までのことを思い出したり、
カメラロールのMr.KINGフォルダを何周もスクロールしたり。
やっと落ち着いた気持ちは、そっと胸の中にしまった。
17時50分過ぎ。
帝劇の開演前挨拶のレポが上がってくる。
こういう時にしっかりコメントする紫耀くんが好きだと思った。
廉くんがいれば大丈夫だと安心した。
その後、微熱が出た。
体はだるいし、頭はぼーっとしたけど、それでも翌朝のWSはちゃんと録画した。
たぶんジャニヲタとしての本能で動いていたんだと思う。
TOKIOカケルが始まると、画面の向こうにはジャニーズJr.がいた。
デビューを知らされる前の6人は、もちろんいつも通りで。
顔が良いのに中身はかわいい、あの6人。
だけど、ジャニーズ年表に6人の写真が貼られたとき、朝のPON!を思い出した。
『ジャニーズの歴代の一人になりたい』
という紫耀くんの言葉。
私はすごい人を見つけてしまったんだ。
たぶん、一生離れられないだろうなあ。
「いちごいちぜん」だもんね、紫耀くん?
早く寝ろと言われても、寝たくなかった。
起きたら全部なくなっていそうで。
夢なら覚めないでと、眠りに落ちるまで願い続けた。
きっとこの日のことは、一生忘れない。